子どもに話したことが、
なぜかうまく伝わらない──。
「早くしてね」
「片づけよう」
「ちゃんと聞いて」
そう言った瞬間、
子どもは止まり、固まり、
まるで“別の言語”のように伝わらないことがあります。
そのたびに、
「どうして通じないんだろう…」
「私の言い方が悪いのかな…」
そんなふうに自分を責めてしまう親御さんも多いはずです。
でも、安心してください。
“伝わらない”のには、ちゃんと理由があります。
そしてその理由がわかれば、
今日からできる小さな工夫で、
子どもの反応は驚くほど変わっていきます。
このページでは、
言っていることが伝わらない子どもに向けて、
すぐに試せて効果のある “3つのシンプルなコツ” を紹介します。
あなたの「困った」が、
少しでも軽くなりますように。
◆ 言っていることが伝わらないのには理由があります
子どもにとって、大人の言葉は
“そのままの意味”で理解できるわけではありません。
「早くして」
「ちゃんとしなさい」
「いい加減にして」
こうした言葉は、大人には当たり前でも、
子どもには とても抽象的でイメージしにくい言葉 です。
特に、発達特性のあるお子さんは
「言葉 → 行動」に変換するまでに
時間が必要なことがあります。
- 大人:抽象的な言葉を使う
- 子ども:意味の解釈に時間がかかる
- 結果:固まる/動けない/違う行動になる
◆ 理由①:言葉が“抽象的すぎて”イメージできない
たとえば「早く準備して」と言われても、
子どもはこう思っています。
- 何を?
- どこまで?
- どの順番で?
大人が“当たり前”と思っていることが
子どもにとっては 整理されていないパズル のように見えるのです。
🔍 ここで大事なのは
「伝わらない=聞いていない」ではない
ということ。
多くの場合、
“どう動けばいいかわからない”だけ なんです。
◆ 理由②:音の理解に時間がかかっている
子どもは、大人のように
「言葉 → 理解 → 行動」がスムーズではありません。
特に発達特性のある子どもは、
- 聴覚処理に時間がかかる
- 複数の情報を同時に処理しにくい
- 環境音が気になって言葉が届かない
といった特徴があります。
- 大人:同時に複数を処理
- 子ども:1つずつ処理 → 遅れが出る
- 結果:伝わっていないように見える
◆ 理由③:できなかった体験が続き、自信をなくしている
「どうせできない」
「また怒られる…」
こうした“学習性の無力感”がたまると、
言葉に反応できなくなり、動けなくなることがあります。
これは怠けているわけではなく、
心を守るための反応 です。
◆ 今日からできる“3つのシンプルなコツ”
ここからは、
あなたが“今日からできる”行動だけに絞って紹介します。
① 具体的な言葉に置き換える
「ちゃんとしなさい」→ ❌
「机の上の鉛筆をしまおう」→ ◎
「早くして」→ ❌
「靴下を履こう」→ ◎
まずは 1アクションだけ を伝えると効果抜群です。
- ちゃんとして → スプーンを持とう
- 早くして → 靴を履こう
- 片づけて → このブロックを箱に入れよう
② “できた瞬間”を言葉にしてあげる
子どもは褒められた瞬間に、
脳の報酬系が働いて行動が安定します。
- 「今、できたね!」
- 「気づいて動けたね!」
- 「ここまで頑張れたね!」
こうした言葉が、
子どもの“次の一歩”への力になります。
③ 切り替えの予告をして“心の準備”を作る
いきなりの指示は
子どもにとっては壁のように感じます。
- 「あと5分で出かけるよ」
- 「このページ終わったらご飯だよ」
- 「次は靴を履くよ」
前もって知らせるだけで、
行動のスムーズさが大きく変わります。
◆ 親御さんが悪いわけではありません
言っていることが伝わらないのは、
あなたの説明が悪いわけでも、
子どもがわざと反抗しているわけでもありません。
原因さえわかれば、
多くの子が少しずつ前に進めます。
🌱【まとめ】
- “伝わらない”のには明確な理由がある
- 多くの子は「わからないだけ」で悪気はない
- 今日からできるのはこの3つ
- ① 具体的な言葉に置き換える
- ② できた瞬間をほめる
- ③ 事前の予告で心の準備を作る
たったこれだけでも、
子どもの反応はゆっくり、でも確実に変わっていきます。
あなたの毎日が、
少しでもラクになって、
子どもとの“うまくいく時間”が増えますように。
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